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ひき逃げ事件に関わった人物が2人も死んでいるって事に違和感を感じた俺は「もしかして…口封じか?」と問い掛けた。
「そう考えるのが自然だろ?現に、田中さんを刺した犯人は見付かってない。だから、こうして俺はあんた達に接触したんだ。手掛かりを探しにな」
「…龍太、コイツに話してもいいか?」
俺は洋二の断末魔に伝えた言葉を龍太に言うと、龍太は小さく頷いた。
「何か知ってるのか?」
「洋二が救急車で搬送されてる時、俺に言ったんだよ。警察がヤバイってな。何の事かは知らないけどな」
「警察がヤバイ。か…」
少し考え込む啓太は「もしかすると…」と呟いて冷めたコーヒーを飲んだ。
「どうしたんだよ?」
「いや、何でもない。色々と悪かったな。侘びを込めて、ここの会計は俺が払うからよ」
「別にコーヒーくらい俺達が…」
「職ナシなんだろ?ここは顔を立たせてくれ。じゃあな」
そう言って啓太は会計レシートを持ってレジに向かうと、龍太は俺に耳打ちする。
「…あの野郎、俺達が無職なの知ってたな?」
「だな。タールに言っておこうぜ」
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