5人が本棚に入れています
本棚に追加
そう興奮冷めあらぬ口調で話す津田に、啓太は「感動してどうする?」と呆れながら携帯電話を返した。
「いいか?こんな連中がのさばったら、俺等警察の面目がまるっと潰されんだろうが」
「そうですけど、すごいコメントが来てるんですよ?」
「くだらねぇモン見てる暇があったら、とっとと車を出せ。署に帰るぞ」
そう啓太が津田に車を発進させると、喫茶店から出て行く越枝と宇田川を見つつ、警察署へと向かった。
―――――
「…仇討ちを考える刑事、か。どんな奴だった?」
「ムカツク刑事だ」
「オイオイ…確か痩せてて、長身でノーネクタイの男だったよ。名前は、吉田啓太って言ってたな」
アパートに戻った俺は、龍太に今日知り合った啓太に関する情報をタールに判る範囲で伝えた。
「少し調べてみよう。そろそろ、警察も動くだろうからな」
「やっぱ、この間の美術館でか?」
「当然だ。私が動画サイトで生配信した動画は、わずか一晩で10万の人間が見ているし、未だにコメントが寄せられている。まぁ、出所はどんなに探しても見付からないがな?」
「あ!もしかして、それが狙いか?」
.
最初のコメントを投稿しよう!