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それからはというと、俺達はどうにかアパートへ戻ってこれた。
で、俺達の心配をヨソに部屋で思いっ切り寛いでいた。
「お疲れ様でした。無事で何よりです」
「…ちょっとでも気に掛けた自分が情けねぇ」
「警察の検問程度、私の想定内だ。掻い潜れるに決まっているだろう?」
「あーそうかよ!つーか、何でコタツが敷いてるあるんだ?」
11月になって、そろそろコタツを出そうかとしていた手前、ちゃっかりにもそれで暖をとるオイルとタールに俺が文句を言った。
「寒いからに決まっているだろう?それと越枝、明日はミカンを買って来い。コタツにはやっぱりミカンに限る」
「そうですね。あ、ミカンは愛媛産が良いですね」
「何なの!?マジでお前等何なの!?」
「落ち着けエダ。こいつ等に何言ったって無駄な気がしてきた…」
ヒステリーを起こす俺に、龍太は諦めながら2人の図太い神経に呆気に取られていた。
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