5人が本棚に入れています
本棚に追加
「どどどどど、どうしよう!?俺、マジで…おおおお女になってる!!」
「おおお、落ち着け!!そうだ!救急車を呼べば…って、ゼッテーにイタズラ電話扱いにされるだろうが!!」
携帯電話をベットに叩き付ける龍太に、俺は指先に挟んだままだった煙草に気がついた。
「呑気に煙草吸ってる場合じゃねぇ…」
俺は短くなった煙草を灰皿代わりに使っている空き缶に入れて処分した。
その途端、急に体がダルくなってフラッとよろめくと、次の瞬間には元の性別に戻った。
「…も、戻った?」
「お前…大丈夫か?」
「お、おう…チョット体がダルくなったけど、大丈夫だ」
一先ず状況が呑み込めない俺と龍太は今日の出来事を確認することにした。
「…とは言っても、今日ってずっとウチに来てたろうが。変なモンを食ってたなら、俺も死んでたろうし」
「お前な、それが飯を作ってやってる奴に言う事か?」
「だってよ、お前異常に女子力高すぎだろうが。なんだよ、昼に麺から手打ちにしてスパゲッティにデザートにアイス作るとかよ?」
「良いだろうが!お前だって"あ、出前よか美味い"って言ってガッついて食ったろうが!」
「判った判った!…て事は、お前変なモン食ったとかしてないか?さっきコンビニに行った時とかによ?」
「ンなモン買ってねぇよ。買ったのはお前が頼んだ飲み物と、煙草だけ…」
.
最初のコメントを投稿しよう!