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「目が覚めたかい?」
一番最初に入ってきた白衣の男性が私に問いかけた。
目が覚めてなければ押してないのだから社交辞令というかお決まりの文句なのだろう。
私はコクっと首だけでうなずく。よく見ると、白衣の男性の後ろに二人ほど女性が立っている。
------一人は透き通った翡翠色の髪を後ろで結っている。琥珀色の瞳、長身・美麗。
まるで芸術品の像のようなプロポーションをしている。
そんな彼女は私のことを見て琥珀色の瞳を大きく見開いていた。
------そしてもう一人・・・前の彼女が驚くのは無理はない。
私から見た彼女が自分とあまりにも「似すぎている」。
室内でも眩いばかりの金色の髪・・・そして澄んだ深い青色の瞳。
身長は女性の平均より少し高いくらい・・・なんだろうか。
おそらくは160cmくらいだろう。入ってきた3人の中で一番小さい。
彼女は私のことを優しげな瞳で見つめてくれている。
最初の男性は黒で短髪・瞳も真っ黒。身長は・・・恐ろしく高い190cmは軽く超えてるだろう。さらに補足するなら恐ろしく細い。風吹いただけで折れるんじゃないかと思うくらい細い。
と、私が入ってきた人間のことを観察していると男性が再び口を開いた。
「さて・・聞きたいことは山ほどあるんだけど取りあえず順を追って聞いていこうか。君の名前を聞いてもいいかな?」
「私の名前・・・」
私は自分の名前を頭の中から探る。
しかし全然思い出せない・・・というよりも名前がなかったのではないかという気さえしてくる。
「やはり混乱しているようだな。まぁ・・無理もないだろうが。」
私が混乱していると、後ろの長身の方の女性が私のほうに来てしゃがんで私と目線の高さを合わせて「大丈夫だ、無理に思い出さなくてもいい。」といって私の頭を撫でてくれた。
たったそれだけなのに私の頭の混乱はスーッっと落ち着いていった。
男性は「ふむ・・・」と呟くと、手に持っているクリップボードにさらさらと何かを書き込む。
そのあといくつかの質問を受けた後、
「じゃあ、これが最後の質問だ------
といって一呼吸置いてきっと彼が聞きたい本質を私に問う。
-----君は何者なんだい?」
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