第1章 二人の少女

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急に声から感じる雰囲気が変わる。聞いた相手に明らかにプレッシャーを感じさせる声。 こんな声を聴いたのはいつ以来だろう・・・察していったん足を止める。 「いい子だジャンヌ。少し遠くなるがA-3へ向かってほしい。 あそこは工業地帯で人はほぼいないはずなんだが・・明らかにおかしな数のダーカーが集まっているんだ。」 声のトーンをいつも通りに戻しつつ淡々とクエストを告げるマスター。 他の人が気づかないところによく気づく人なのでおそらく彼の感は当たっている。 「A-3・・・たしかにダーカーは生体反応が多いところに現れてますよね 工業地帯・・・狙いは工業用のフォトンかしら?」 言いながらさらに思い当たる節をさっと頭の中で考える。 が、そもそもダーカーは神出鬼没なので考えるだけ無駄だと判断してそれ以上はやめた。 「理由までは私にはわからないけどとにかくおかしいんだ、 他のアークスはいないみたいだが行ってくれるかい?」 他のアークスがいない=援護は期待できない そんな風に言外に心配しながらも私を行かせようとすることに罪悪感があるのかマスターの声は詰まり気味だ。 「私を誰だと思ってるんですか?逆境はむしろ最高のスパイスですよ。 クエストも了解しました。ジャンヌA-3に向かいます」 「クエストの承諾を受理。頼んだジャンヌ。 お前だけが頼りだ・・・健闘を祈る。」 そういってマスターは通信を切った。 戦闘中に私の邪魔をしたくないためのいつもの配慮。 (そこまで期待してもらえるなら私も頑張らないとね) 私は脚に力を込めて一気に駆け出す。 目標地点までおおよそ10km・・・私の足なら2分かからないだろう
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