第1章 二人の少女

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その頃ジャンヌの所属するチーム「cleanelJoker」ではマスターが一息ついていた。 (少し距離はあるがあの娘の足なら直ぐに着くだろう・・・ あの娘の戦闘センスなら今の数のダーカーならあっという間に殲滅できるはず・・) 私の眼前にはダーカー・アークスの位置がリアルタイムに表示されているモニターがある。 実はこれはアークスの管制塔にあるものよりも大分高性能である。 趣味でいろいろなところにセンサーを取り付けて歩くことをしていたため、管制官より詳しく知れるようになっているという犯罪一歩手前(むしろアウト)の逸品である。 モニターにはジャンヌの位置も表示されている。 彼女のアイコンが目標まで半分を切ったあたりで私は異常に気付いた。 「なっ・・・・!!!何が起きているんだ・・・」 モニターに表示されるA-3地点のダーカーのアイコンが突如「消滅」したのだ。 (センサーの故障・・・も考えられるがあのモニターは対衝撃には強く作られたもの・・故障の線は考えにくい・・・近くにたまたまアークスがいたとか・・・市街地でステルス使ってるとは考えにくいが・・・) 予想外すぎる状況に陥った私は焦りながらもジャンヌに向けて通信を飛ばす。 切ったとはいえ半分つないだ状態を維持してるので今度は直ぐに繋がった。 「マスター何?今急いで向かってるんだけど!これ以上は私の足じゃ無理だからね!!」 少し怒ったような反応するジャンヌ。 たしかにこちらがお願いしておいてさらに早くすることを催促したと思えば当然の反応か。 「君の邪魔をしてしまったことは謝る。が、アクシデントの発生だ。 A-3のダーカーが消滅した。」 「え?消滅?近くにアークスいないんじゃなかったの?」 素っ頓狂な声が返ってくる。 ごもっともな反応だ、私だって同じ言葉で返すだろう。 「市街地でステルス機能付きのコスチュームでもつけてる輩でなければ映るはずだけど・・・なにはともあれ敵が消滅した以上クエストは終了だ。だが「何があったかの確認のために私はこのまま向かっていいのよね?」・・・・」 私が説明しようとしたことを先に言われてしまった。 年々そういうところが鋭くなっていくな・・・なんてことを考えそうになった頭を振って彼女に告げる。 「そうだ、君には何が起きたかの確認のために改めてA-3に向かってほしい」
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