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「--------------ジャンヌ・・・ジャンヌ!!返事をしなさい!!」
マスターの切羽詰まった声を聴いて私は意識を取り戻した。
それくらい私にとってはありえない光景だったのだ。
私は端末でこの光景を写真に収め、マスターに送った。
「マスター・・・今から画像を送ります・・・その後の指示は任せます・・・」
「・・・・?わかった。」
私は画像を送信した。
するとマイク越しのマスターが息を呑む音が聞こえた。
「これは・・・一体・・・!
彼女たちがやったというのか?こんな幼い子供が・・・!?」
「マスター落ち着いてください!
この場の指示をお願いします!!」
予想外の事柄が起こるとパニックになってしまうマスターは案の定状況の処理ができなくなってしまっていたが、私の声を聴くと落ち着きを取り戻したのか「ゴホッ」と咳払い(?)をしてから
「二人を回収して私が指定するメディカルセンターに連れて行ってほしい。
幸いというべきか周りにはダーカーの発生もないし、船に発生してるダーカーもほとんどいなくなってるからそのうち殲滅されるだろうね。船への被害も船を遺棄する程度ではないようだから脱出の必要もないだろう」
周囲の状況を含めて私に報告するマスター。
しかしながらやはり光景が光景だったからか声が少し上ずっていた。
「わかりました。この子たちを回収してメディカルセンターに向かいます。」
私はそんなマスターと相反するように努めて冷静に対応する。
というか・・・あの画像を見せて慌てるマスターを聞くことでだいぶ落ち着いたのだった。そういうことあると思います。
私はダーカーの残骸を踏みつけるのが嫌だったので、一息で跳躍して彼女のわきに降り立ち二人を抱きかかえる。
「あんたらなんて・・・吹き飛びなさい!!」
勢いよくフォトンを爆発させて山を吹き飛ばしつつ大きく跳び上がる。
そしてそのまま二人を抱えながら指定されたメディカルセンターと向かうのであった。
その道すがら聞こえてきたのは
「アークスシップを襲ったダーカーの反応は消失しました。
アークス各員の奮闘に感謝します。」
という先ほどとは打って変わって冷静なオペレーターの声だった。
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