第1章

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2人の子どもたちと離れ離れになってから、早10年。上が3歳になりたてで、下はもうすぐで2歳になるころだった。その間、子どもたちに会おうと働きかけたことは、決して一度もない。養育費だって払ってない。なのに、なぜか「2人が大きくなったら、必ず俺を探しに来る」と言う希望的観測だけは、いまだに持っている。 先日、2人が居るであろう川越を訪れる機会があった。あれ以来、埼玉県にすら足を踏み入れていないのに、なんでまた川越なんだよと、いくら仕事とはいえ気が引けてしかたなかった。 その日、当時暮らしていた地区とは別の地区の住宅街を歩いていた。立ち止まった交差点で何気なく、隣にある交番の方へと目を向ける。ポスターに掲載されている名前を見た瞬間、これが全てのはじまりだった。
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