【白い“もや”】

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【白い“もや”】

 少女は目を覚ました時、見知らぬ天井に怯え空気を切り裂くような叫びをあげた。  医者や看護師が宥めても見知らぬ大人たちに囲まれたことで少女の混乱はより一層ひどくなり、涙を流して小さな子どものように泣き叫んだ。 「パパ、パパ」と、まるで迷子になった子どものよう父の姿ばかりを求めた。
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