空井星歌取扱説明書

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      「座れよ」  フローリングの上に100均で買った座布団を放り投げて、伊田に座るように促す。  なにごとかをブツブツと呟きながら、伊田は座布団の上に正座をする。  こういうときに胡坐をかかないのがこいつらしい。 「な、なに」  眼鏡の奥に見える、怯えた瞳が揺れる。たぶん、何で呼び出されたのか薄々感づいているはずだ。 「今日、星歌に相談されたよ。伊田にストーカーされてるって」  伊田を睨む。「ひっ」という情けない声を上げて、それが俺の怒りに拍車をかけた。 「お前、ふざけんじゃねぇよ!」  声を張り上げる。伊田の肩がびくりと跳ねた。
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