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「ケーキのやつは、Twitterにアップされてるだろうけど」
「いや! Twitterにはケーキだけの写真しか無かった! これはレアだよ! 彼女は彼氏の存在を匂わせる写真はめったに上げないからねっ!」
腐りかけの良心が、痛む。
星歌にとって俺の存在が、誰かに見せびらかすための宝石のようなものじゃなくて、もっと大事な、心のうちに秘めておくようなものだったという証だった。
この痛みだけは、俺はきっと忘れることはできない。愛情を持っていた頃の俺が、心のどこかに巣食っていることを否定できない。
「写真は現像してまた後日お前にやる。だから今日はもう帰れ」
「わ、わかった」
伊田を蹴飛ばすように家から追い出しすと、身体の奥からそれまでに蓄積していた疲労が噴き出してきた。
脱力。ベッドに寝転ぶ。
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