第1章

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そしてお店の紹介文には奇妙な事が書かれていた。 【あなたは自分の時間を大切に使えていますか?居酒屋。ではその使い方が分かるかもしれません。どうぞお気軽にお越し下さい。】 (自分の時間を大切に…) 何故かその文が頭からついて離れなかった。行くか行くまいかで迷ったが他のお店もいっぱいであったし、迷っているぐらいなら行ってみた方が良いんじゃないかという結論に至った。 ーーーーーーー お店は入り組んだ人通りがない道にあった。周辺のお店は全て数十年前に潰れているらしかった。どのお店も廃れていて、二階には人も住んでいないようだった。 さらに歩いて行くと潰れているお店の間に「居酒屋。」があった。他のお店のライトが無いせいか、お店の外は暗かったが中からはほんわかした優しい光が灯っていた。 入るか入らないか迷ったが、ここまで来た手前入らないと気が済まなくなっていた。 引き戸の隣には開店していますの看板が飾られてあった。 俺はおそるおそるドアを開けてみた。 「いらっしゃいませ…」 これが全てのはじまりだった。
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