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「な、な、なんでアンタがこれを!!」
「はあ? 俺はただここに置いてあったから……」
「なになに? 手紙?」
「あっ、ちょ!!」
後ろからひょっこり現れた友也がケイから手紙をひったくった。
「ん? これラブレター?」
「やだ! 返して友也!」
「えっと、『私、浅野ケイは西園寺友也のことを……』」
そこで言葉に詰まる友也。蒸気が上りそうなほど頬を紅潮させたケイは、もはや言葉にならない様子だ。
読み上げられた名前は衝撃的すぎたのか、ただただ沈黙した時間が流れる。姫野は相変わらず仁王立ちしたまま。
そのうちにケイが涙目で震えだしたとき、友也は手紙をポケットにしまってケイに向き合った。
「ケイちゃん。僕もケイちゃんのことが好きだよ」
「えっ……」
「はあああああ!?!?」
ケイの肩に手をやって愛の告白をする友也と、展開についていけず発狂する敦己。そして仁王立ちの姫野。
「友也……本当に?」
「本当だよケイちゃん」
「やだ、夢みたい……」
絶句する敦己の前で、ケイと友也は完全に二人の世界に入り込んでいる。なんとも言えない空気の中、聞き覚えのある声が響いた。
「コングラチュレーーーッション!!」
柿頭にニヒルな笑みを浮かべ、パンプキンが姿を現す。
「無事に結ばれたようだね。これが私の"もてなし"さ」
「パンプキン。あんた……」
「いい。何も言わなくていい。思いの丈を書いては捨て、書いては捨てを繰り返す少女と、関係を崩さないよう想いを押し殺した少年。そんな二人を見ていられなくなっただけさ」
嬉しそうにケイを引き寄せる友也。照れくさそうに微笑むケイ。と、ただひたすら取り残され続ける敦己。
「幸せになりたまえ、若者よ。これがハロウィンの奇跡だ」
「ありがとうパンプキン! 僕がケイちゃんを幸せにするよ!」
「友也……」
「さあ! 皆も祝おうではないか!」
「HAHAHA! コングラチュレーション!」
「おめでたいね。僕の愛撫を伝授しよう」
「いやあああん! こみあげてキちゃうううう!」
締め出されていた彼等もドアをぶち破って雪崩れこみ、ケイと友也を胴上げした。
「ありがとう! ありがとうみんな!」
「私たち幸せになります!」
「コングラチュレーション!」
「コングラチュレーション!」
校長室中に掛け声が木霊する。
「なんだこの展開……」
そして冷ややかに呟く敦己。
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