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「やあ、こんばんは。とっても可愛いチーズタルトだね。まあ僕が作ったんだけども」
「…………」
「ふふ。緊張しているのかい? まあ誰もいない個室に二人きりじゃ、緊張するのも無理ないだろうけどね」
「…………」
「大丈夫。その真っ白の身体を見せてごらん。……ああ、いやらしい白濁色だ。なんてすべすべなんだろう。隅から隅まで舐めまわしてしまいたい」
目を細め、舌なめずりをする男。手に持ったフォークの背でレアチーズ部分を撫でる。艶やかに湿ったそれは身をよじることも出来ず、ねっとりとしたフォークの愛撫にひたすら耐えているようだ。
それを分かっているのか。男はなおも執拗にフォークを滑らせ、少しずつ、だがゆっくりと下へ向かう。そしてフォークの先が下のタルトをつついた瞬間、レアチーズの部分が飛び跳ねるように揺れた。
「はは、感じやすいんだね。ジュルジュルのクランベリーソースが今にもこぼれてしまいそうだ」
「…………」
「だけどソースを垂らしてはいけないよ。お皿が汚れてしまうだろう。ほら、耐えてごらん」
余裕の笑みを浮かべながらフォークの先で弄ぶ。白濁色のその身を何度も、何度も。時にはタルトとチーズの境目をぐちゃぐちゃに掻きまわし、耐えきれず崩れ落ちそうになったレアチーズ を、やれやれとばかりに指の腹で優しく支えた。
しかし踏ん張る事の出来なかったのはクランベリーソース。なだらかに滑り落ちるソレは、白いチーズ部分をはしたなく濡らしながら伝い流れる。我慢虚しく、皿を汚した。
「あーあ。駄目だと言ったのに。いけない子だね」
どろりとしたソースを指で掬い、男は舌の先でそれを舐めとる。見せつけるように唾の糸を引かせ、じっくりと。かと思えばその指を一気にレアチーズの中へ突き立てた。グチュリと音を立てながら第二関節まで挿入された男の指。あまりに突然のことにチーズタルトは声も出ない。
「お仕置きだ」
そんなチーズタルトをあざ笑うかのように、男はゆっくりと指をピストンさせ始める……。
────────
そこまで見届け、敦己はゆっくりと扉を閉めた。
「どうしたのよ」
「宝部屋? それとも仕掛け部屋だった?」
「いや……。なんかすげーエロいこと言いながら食べ物粗末にしてる奴がいた」
「何言ってんのアンタ」
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