キチノイロ

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「な、何!?」  トイレから出ると、先生たちが廊下を走っていた。 「家庭科室で事故だ!」 「ガス爆発のようです!」 「そういえば、炊飯器のガスの元栓が壊れていて」 「まさかそこからガスが漏れて、コンロの火が引火を」 (うそ……)  降ってわいたような災害にあたしは言葉を失った。  嘘でしょ。 (タカちゃん先生、みんな……!)    ガクガク震える足で廊下を駆け抜け、家庭科室に向かう。  ドアの前には先生が数人。慌てた様子で、ケータイに向かって叫んでいる。  家庭科室の中は真っ黒だった。  窓ガラスが割れ、壁は焦げ、カーテンは焼け、作業台はボロボロだった。  焚き火みたいな火があちこちで燃えている床には、タカちゃん先生とあたしのクラスメイト、総勢三十八人が倒れていた。
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