2人が本棚に入れています
本棚に追加
「よし! 血ィ止まった!」
自分を励ますために、口に出す。
暗い気持ちになっちゃったけど、切り替えていこう。
ぐだぐだ悩むのはやめるって決めたんだ。
血が黄色くても、誰に迷惑をかけるわけじゃない。
バレないようにさえすれば、大丈夫。
山になった使用済みトイレットペーパーを、一気にトイレに流す。
生徒手帳に挟んであったバンソーコーを傷口にぴっちり貼る。備えあれば憂いって本当に無いよね。
もぉ大丈夫。家庭科室に戻ろう。
カレーの続きだ。
(でも包丁は持ちたくないな。よそう係やりたいなー)
ケガしたんだし、甘えさせてくんないかな、と甘いことを考えていると。
流水音を背に、個室から出たときだった。
何の前触れも無しに、どぉおおおおおん!! と大きな音が弾けとんだ。
次に火災報知器のベル。ジリリリリと耳をつんざく。
最初のコメントを投稿しよう!