キチノイロ

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「よし! 血ィ止まった!」  自分を励ますために、口に出す。  暗い気持ちになっちゃったけど、切り替えていこう。  ぐだぐだ悩むのはやめるって決めたんだ。  血が黄色くても、誰に迷惑をかけるわけじゃない。  バレないようにさえすれば、大丈夫。  山になった使用済みトイレットペーパーを、一気にトイレに流す。  生徒手帳に挟んであったバンソーコーを傷口にぴっちり貼る。備えあれば憂いって本当に無いよね。  もぉ大丈夫。家庭科室に戻ろう。  カレーの続きだ。 (でも包丁は持ちたくないな。よそう係やりたいなー)  ケガしたんだし、甘えさせてくんないかな、と甘いことを考えていると。  流水音を背に、個室から出たときだった。  何の前触れも無しに、どぉおおおおおん!! と大きな音が弾けとんだ。  次に火災報知器のベル。ジリリリリと耳をつんざく。
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