第1章

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 壊れかけの高速道路が落ちてくる。昭博はそれらを避けていく。  008  ガイアは議場で高みの見物だ。  今は、巨大植物が見ている映像――もしくは周りにいる小型の植物からの映像で、昭博の苦戦を眺めていた。 (そうだ。たかが、アリ程度の人間が。地球に適うはずがないのだ)  人間も言っていたな。  人の命は、惑星よりも重いかと。  笑わせる、惑星の方が重い。 「極小な人の命。いつ潰れようが、地球にはどうでもいい――人がアリの寿命に気を配らないように、我々も貴様らを殲滅してくれる!」  脳内の映像は、昭博の車が突き進んでいくのが見える。 (馬鹿め……)  いや、馬鹿なのはどちらか。  009 「……っ」  昭博はアクセル全開。車を走らせる。 「……いや、だって。動きはのろいしなぁ」  車は、巨大植物の下を通っていった。  010 『――はああああああああああああああああああああっ!?』  それもそのはず。  別に、昭博の望みは植物全部ではない。  とりあえず、大将っぽいものを討ち取る。昔の戦国武将のような考え方なのだ。  下僕が申し訳なさそうに助言する。 『あ、あの……大きなのですと、小さいあいつに追いつけず。――それなら、小型のを送り出せばよろしいのでは』  というか、下僕やガイアだって小型なのだが。  しかし、ガイアはなるほどとうなづき、余計なことは言わない。 『ならば、そうしろ。――いるじゃないか。大量の鳥達が』  そう、ガイアの元にはプテラノドンの姿を模した鳥達が――鳥と呼ぶにはあまりにも強靭で、たくましい鳥達が、いるのだ。  ガイアは近くの鳥に命令を伝える。あのヤクザを殺せと。  011  GIGYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA――!!  鳥達は、雄叫びを上げる。  そして、翼を広げ滑空し、隊列を組む。  向かうは、ほぼ直線の道路を走る青い車。  昭博が乗る、あの車。  GYAAAAAAAAAAAA――!!!  鳥は、その長いクチバシをドリルのように突き立てる。  012
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