第1章

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最初の決闘は、細い手足で巻きついたり、噛みちぎろうとしたりするだけの、地味で映えるものではなかった。 しかし、 「こっちに、私の加護を与えよう」 「では、私はこちらの方に加護を」 力や知恵、素早さなどを司る神々が生物に加護を与え、彼らの戦いは力強く戦略的で素早いものへと変わっていった。 クリトは生物を増やしていき、神々はその決闘に熱中した。 そして、生物たちは決闘以外でも神々の興味を惹く事になる。 様々な神から加護を受けた生物たちは音を発し、感情を示すようになり、他の生物との意思疎通までも図りはじめたのだ。 生物たちは小さな箱の中で飼っていたが、多くの神が夢中になりすぎて、小さな箱では物足りなくなっていた。 その熱が収まらないと判断したゼキスはクリトを含めた数名の神を呼び寄せて高らかに宣言した。 「世界を一つ創ろう!」 「おおっ!それはなんて楽しそうなんだ!」 「素晴らしい提案だわ!」 「フラナ、お前はどう思う?」
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