Ⅰ*記憶*

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「ピンクのバラ・・・・。」 竜吉は、涼子からバラを受け取り、バラを見つめていた。 「綾が1番大好きな花。きっと、綾も喜ぶからさ!」 竜吉は涼子の声が今にも、泣きそうな声だと分かった。 「原町、サンキュ!きっと綾も喜ぶわ。」 竜吉は笑いながら涼子に言った。 「うん。じゃあ、綾によろしくね!」 「おう!またな。」 竜吉は涼子から貰ったバラを、大切に持ちながら綾の所へ向かった。 涼子はため息をついた。 「1番辛いのは村越君なのに・・・。あの記憶はずっと彼の中に残ってるのね・・・・・。」 涼子は1本のピンクのバラを取って見つめた。 「綾・・・。あんたは、なんで私に相談しなかったのよ・・・・・・綾・・・。」 涼子はただ泣き崩れているしかなかった。
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