再び旅立ち

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勇者達の活躍により魔王は倒された。 勇者達は英雄の扱いを受け、国から民から祝福されて生活をしていた。 だがしかしその一方でモンスター達も動いていたのだ、魔王という組織をまとめる者が居なくなり各地でモンスター同士の縄張り争いが起きていた。 無論勇者達は各地に向かい討伐を繰り返してはいたが、民からの信頼は無くなっていた。 「勇者が魔王を倒さなければ今よりは平和だった」 手のひらを返した民達の言葉に、勇者一行は次々と姿を眩ましていた。 魔王亡き世界から四年、勇者である...いやあった俺は村の畑を耕していた。 「おーいリアド!そろそろ飯だぞ!」 俺は育った村に帰り、静かな毎日を過ごしていた。 ここの村は魔王亡き世界が始まっても、俺を温かく迎えてくれたのだ。 「今行くよ」 「ハハハ、だいぶ耕すのに慣れてきたか?」 畑を耕していたのはモンスター討伐に向かう前だから、もう四年が経つんだな。 久しぶりに使わない筋肉を使い、腰が痛くて叶わない。 「お前はクワより剣が似合って...悪い」 「もういいさ」 気を使われている、そう感じるとこちらも申し訳ない気持ちになる。 剣を取る事はもうないだろう、俺は勇者を辞めたんだ。 魔王亡き世界で暴れまわるモンスターの事は、気にならないと言えば嘘になる。 村にモンスターが来た時、最悪の場合は剣を取るさ。 でも討伐の旅には出ない。 俺の力ではどうにもならないからだ。
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