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俺の顔は国にばれているからな、暑いがフードでも被ろう。
「止まれ、こんな暑い日にフードを被って怪しいやつめ」
めんどくさいな、国の上級騎士に目をつけられた。
「すみませ、田舎から出てきたばかりで、私の住んでた場所はフードを常に被っているのが普通でして」
ありもしない嘘をつき、場を流そうと試みる。
「おい、遊んでる暇はないぞ貴様ら。王から召集命令だ」
運が良かった、俺は頭を下げてその場を立ち去る。
しかし...ザコタフの言う魔王の娘とはどんな奴なのだろうか。
モンスターの気配どころか魔力すら感じない。
「とりあえず宿を取らなければ」
町の宿に向かい部屋を確保する、俺は情報を集めるため酒場に向かう。
「らっしゃい兄ちゃん」
「とりあえず簡単な飯頼む、最近町がピリピリしてるな?何か合ったのか?」
酒場の亭主にさりげなく話を聞く。
「あんた最近の人かい?勇者一行の話は聞いたことがあるだろ?」
「あぁ...」
「勇者一行の指名手配の他に魔王の血族の指名手配がされたんだ」
亭主は料理を出し張り紙を見せてくる、似顔絵だが酷い下手だな。特徴は黄色の髪、緑の瞳か...普通の人間にしか見えない。
「...ありがとうおっちゃん、飯うまかったぜ」
「まいど!またこいよ」
さてと特徴はわかったし、一先ず宿に...
「ん?」
気配を感じ後ろを振り返ると、黒衣をまとった人物が三人物陰に隠れた。
つけられてるな、一人ずつ減らすか。
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