第一話 カシュオネアの兄弟

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1. 勇者によって、世界を飲み込まんとしていた大帝国が滅びてから数百年が経った。 “小さな大国”と呼ばれる“カシュオネア王国”は、人口50万人程の平和な国で、内紛が起きたことなど一度も無い。 世界でも、稀に見る穏やかな国だ。 というのも、国民の気性がもともとのんびりしていたのが原因で、その起源はというと、建国当初まで遡る。 農業、工業は共に盛んで、地産地消はもちろんのこと、様々な国に産物を輸出もしており、経済面においても豊かであった。 また、軍事面においては“眠れる獅子”と呼ばれる程の実力を秘めているという定評もある。 “小さな大国”と呼ばれるのは、これらの要因があってこそのものだ。
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