2 Damn it !

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ふと千佳子が口を開いた。 「トモ、猫飼えば?」 「え? どうしてそうなるの」 「猫がいれば、家に帰る理由ができるじゃない。撫でればα波も出るらしいよ」 「猫か。いいかも……って、それって寂しい女のやることでしょー!」 「……」 千佳子は少し考えてから返事をした。 「だって、寂しい女じゃん」 「……そっか。そうだよね」 なんとなく2人とも無口になった。 「……」 友はビールを高らかに上げて飲み干した。 「ヨシ。寝よっと」 「え? あんた家主より先に寝る宣言!?」 「明日早いんだよね」 「……」 言うが早いか、友はチッペンデールのソファに横になった。 しょうがないので、千佳子は毛布を持ってきてそっとかけた。 友のまぶたが少し腫れている。 この部屋に来てから振られたことの詳しいところは話さないし、千佳子も聞かなかった。 何がどうしてそうなったかは分からないけれど、聞かなかったのは、その悲しみの深さだけは友の雰囲気から伝わってきたからだった。 千佳子はそれだけで、この部屋に来るには十分な理由になると思ったのだ。
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