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千佳子は勤務後に連絡をして、不動産会社へ向かった。
「トモいる?」
「あ、チカいらっしゃい。そこ、座ってて」
古びた不動産会社の引き戸を閉めた。
狭いフロアに幾つか机があり、どれも年季が入っている。
机の上には書類やらファイルやらが山積みになっている。
古くからある地元密着型の不動産会社といった様子だ。
「で?どうしたの、急に引っ越しだなんて」
友は千佳子の向かいのソファーに座り、足を組んだ。
「……」
千佳子はその綺麗な足にみとれていた。
「ね、きいてんの?」
「あ、うん。とにかく、職場から近いのがいいの」
「予算は?」
「7万くらいかな」
「1DKのマンション?」
「うん」
希望を聞きながら、友は分厚いファイルをめくり始めた。
「チカ、最近どうなの?」
「え?」
「楽しくやってんの?」
「……フツー」
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