1  私の幸せはひどく遠い所にある

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友が上目づかいで千佳子を見た。 「ホントあんたって、老けないよね」 「十分老けたよ。誰にも相手にされないし」 「私が相手してあげんのに」 「トモとはもう勘弁。あんた何股したと思ってんの?」 千佳子は友を睨んでいる。 友は少し考えてから口を開いた。 「……みんなの私なんだもん。気まぐれに愛されたい子を相手しただけじゃん。基本的にはチカを大事にしてたんだけどな」 友は真顔だ。 千佳子は友を睨んだ。 「だから嫌なの。私は、私だけで満足してくれる人がいいの」 千佳子はそう言い切った。 「もったいなーい」 「何が?」 「とりあえずの子ならいっぱいいるよ。その中から選べばいいじゃん」 「そういうの、私は嫌なの」 「相変わらず真面目だね。さすが教師」 友は毒を吐きながらもファイルを入念に見ている。 「……あった」 「え?」
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