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友が上目づかいで千佳子を見た。
「ホントあんたって、老けないよね」
「十分老けたよ。誰にも相手にされないし」
「私が相手してあげんのに」
「トモとはもう勘弁。あんた何股したと思ってんの?」
千佳子は友を睨んでいる。
友は少し考えてから口を開いた。
「……みんなの私なんだもん。気まぐれに愛されたい子を相手しただけじゃん。基本的にはチカを大事にしてたんだけどな」
友は真顔だ。
千佳子は友を睨んだ。
「だから嫌なの。私は、私だけで満足してくれる人がいいの」
千佳子はそう言い切った。
「もったいなーい」
「何が?」
「とりあえずの子ならいっぱいいるよ。その中から選べばいいじゃん」
「そういうの、私は嫌なの」
「相変わらず真面目だね。さすが教師」
友は毒を吐きながらもファイルを入念に見ている。
「……あった」
「え?」
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