1  私の幸せはひどく遠い所にある

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友はファイルから一枚紙を引き出して、千佳子に渡した。 「1LDK風呂トイレ別、学校まで徒歩約10分。バルコニーとトランクルーム付き。水道代5千円、家賃6万円」 「すごい、それすごいよ。見てみたい!」 「鍵あずかってるし、今から行こうか」 「え!いいの?」 「あんた昼間は動けないでしょ。早い方がいいし」 言うが早いか、友は用意をし始めた。 千佳子はふと思った。 友のこういう所、好きなんだよな。 「ホラ、ぼーっとしないで。出るよ」 「あ、ハイ」 千佳子は急かされて、不動産会社を後にした。
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