2 Damn it !

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というわけで、友を部屋にあげた。 「おお?いいカーテン付けたね。高そう」 「まあ、お金だけはあるね」 大きな窓にかけたカーテンを見て、友は言った。 「ダマスク柄、流行ってるもんね」 「いや、私の好みって前からそういう方向だったし」 断言するだけあって、この部屋はどこかヨーロッパを感じさせる家具が多い。 チッペンデールのドレッサー、ダマスク柄の織りが入ったシルクのクッションカバー。淡い色合いなので、ヨーロピアンフレンチといった感じだろうか。 友はチッペンデールのふかふかした椅子に座った。 「たしかに。時代があんたに追いついたってか」 友がからかった。 「私がこういうのダメだったから、反動?」 友はニヤニヤしている。 元2人の部屋は、シンプルを絵に描いたような部屋だった。 友の趣味で、現代アートのポスターが貼られていた。 千佳子は恋人に自分を合わせるのが愛だと思っていたのだ。だから、ヨーロッパの香りはしないインテリアだった。 唯一千佳子のシャンプー類だけ、パッケージが流線型のヨーロピアンデザインのものだった。 千佳子は真顔で答えた。 「さあ。そんなこと良いから、食べよう」 「はーい」 千佳子はお腹が空いていた。 これが終わったら……と思いつつ作業をしていたら、すっかり食事のことを忘れていたからだ。 マホガニー調のテーブルにそぐわない、焼き鳥とビールの缶が並んだ。 焼き鳥からは湯気が立っている。 「グラス洗うの面倒だから、缶のままでいい?」 「いいよ」 友は返事をするなり、鶏モモ串を口にした。 「ん、旨い」 つられて千佳子もつくね串を手にした。 「あーーーー、ホント。炭火は違うね」
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