2 Damn it !

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「おはよう。出勤するよ」 結局、千佳子が早く起きて友を起こした。 6時頃に起こされた友は、大急ぎで仕度をして一泊の礼もなく自宅へ帰った。どうしても必要な仕事の資料が自宅にあるとのことだった。 千佳子は友が帰ってから、いつも通りの朝の仕度にとりかかった。 千佳子は、朝目覚めたら誰かが居る……そのことが嬉しくて、しばらくニヤニヤしていた。 「おはようございます」 千佳子が出勤すると、千佳子の前の机に段ボール箱が置かれていた。 中には教材がぎっしり詰まっている。 嫌な予感がした瞬間に、教頭に呼ばれた。 「ちょっといいですか」 「……はい」 呼ばれて校長室に行くと、昨日会った野口と校長が談笑していた。 「あ、佐伯先生。朝からすみませんね」 校長が手招きをした。すると野口が立ち上がった。 「野口くんのこと、今日からお願いします」 「あ、はい」 「実は……野口くんは僕の甥でね。なかなか力のある男なんですよ。化学の教科担当の先生には話をしてありますし、佐伯先生は弟子が増えたと思って色々教えてやってくださいね」 「は、はい」 すると野口は礼をした。 「あの、宜しくお願いします」 「こちらこそ宜しくお願いします。とりあえず……荷物整理が終わったら声かけてくださいね」 「はい」 千佳子は心の中で毒づいた。 ー化学担当なら化学担当の教師につければいいのに!ー そしてため息をついた。
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