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「佐伯先生!今日の歓迎会行きます?」
高野が、いつもよりヒラヒラ要素が強い本気ファッションに身を包んで話しかけてきた。
「あ、はい。採点終わってからだから……ちょっと遅れるかも」
「そっかー。私、待っていても良いですか?」
「あれ?深雪先生とかと一緒に行ったら?」
深雪先生は数少ない女性教員の1人だ。
英語担当で年齢は高野と同じくらいで、独身。おまけにクールビューティーだ。
その他、千佳子と同世代の既婚者の体育担当の児嶋もいる。
あとは家庭科担当の須賀、千佳子の大先輩で独身を貫いて30年だ。
「深雪先生美人ですもん。並んだら負けちゃうし……いや、佐伯先生に勝つとかじゃないですよ!」
高野が必死に否定するほどに、千佳子は妙に納得してしまった。
「それなら……これ手伝って」
千佳子は高野に分厚いファイルを渡した。
「なんですか?これ」
「防災訓練の記録。先月と先々月書き忘れたでしょ?」
「あ!」
高野は急いで書き始めた。
ーたしかに、年齢でも顔も中途半端だなー
千佳子はそう思いながら採点をすすめた。
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