2 Damn it !

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千佳子達が料亭に着く頃には、ほぼ全員いい感じになっていた。 後輩教師にありがたい説教をする者、ただただ手酌でのむ者、それぞれが楽しんでいた。 「あ、佐伯先生!お疲れさま!こちらへいらっしゃい!」 ほぼできあがっている校長に呼ばれた。隣りには野口が黙って赤い顔をして座っている。 「……」 千佳子は高野に目で合図をしてから、校長の隣りに座った。 「いやいや、本当に佐伯先生にはお世話になって……まあまあ一杯!」 千佳子のグラスにビールがつがれた。 「すいません、校長先生」 千佳子も校長のグラスにビールをついだ。 「いやいや、どうですか、彼は。ちゃんとやっていますか」 校長が野口のシャツの腕あたりをつまんで言った。 野口も軽く会釈する。 「はい、とても勉強熱心で今でも授業の見学をしていますよ」 「そうかそうか、佐伯先生の授業は保護者にも評判がいいですから。野口君しっかり学びなさい」 校長は赤ら顔のまま、今度は若い教師の方へビールを持って行ってしまった。校長の座布団を挟んで野口と向かい合った。 目が合ったものの、何を話していいのか分からない。 とりあえず千佳子はビールをつごうとビール瓶を持った。 「ビールでいいですか?」 「いや、あの……俺だいぶのまされて」 よく見ると、野口は少し青い顔をしている。 「あ、お冷やの方が良さそうですね」 千佳子は気をきかせて、お冷やを取りに離れた。
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