2 Damn it !

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「わざわざすみません」 野口はそう言うと、お冷やを受け取った。 「災難でしたね」 「いや、本当のことですから」 野口はお冷やを一気飲みした。 「それにしても……今の一言は的確だった」 千佳子はきょとんとした。 「……どういう意味だったんですか?私も分からなくて」 「知ったこっちゃねーよって意味です」 千佳子も吹き出した。 「ホント、その通りですね。さすが深雪先生!」 「でも悪口としてのスラングですから、普通に言ったら反感を買いますからね」 野口はあわてて付け足した。 それでも千佳子は笑いが止まらなかった。 「これ、歌の題名にあるんです」 「そうなんですか」 「洋楽とか聴きますか?」 多摩から解放されて、酔いも手伝って野口は饒舌だ。 「いや、あまり……」 「そうですか。僕は専ら洋楽専門で……って、僕話しすぎですね」 野口は頭をかいた。 「いえ、野口先生の歓迎会ですから。好きにしゃべっていいですよ」 千佳子は言い切った。 「僕、佐伯先生に謝らなければなりません」 「え?」 千佳子は引っ越しの話だと察した。
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