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「美魔女って……」
今度は野口が含み笑いをしている。
「え?何?野口先生、私一応先輩なんですけど?」
「いや、高野先生より佐伯先生の方が美魔女な気が……」
千佳子は黙っていた。
下手にしゃべると粗が出て、高野が気を悪くするからだ。
野口はニコニコしている。
高野はポカンとしたものの、今度は表情が険しくなってきた。
「そりゃ佐伯先生は美人なタイプですし、独身で自分磨きもできるし、それだけで美魔女路線に乗ってますけど……」
こうなると、高野のセリフはけなしてるんだか上げているんだか分からない。
「私は可愛いタイプの美魔女になるんです!」
高野はそう言い切ると、急にその場に立った。
野口は爆笑している。
酔ったせいか、色々とゆるくなっているらしい。
酔っぱらいの戯れ言だと思って、千佳子は黙って座っていた。
「佐伯先生!」
「あ、はい」
急に高野が叫んだ。
「先生は結婚しないんですか?」
「は!?」
その場にいた全員が、千佳子を見ていた。
みんな、ききたかった一言なのだろう。
興味津々である。
「お答え下さい!」
高野が盛り上げた。
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