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おかげでもうちょっと首が痛かった。
このまま消耗戦の我慢くらべでは精神的にも体力的にもいささかこちらが不利なことを認めざるおえない薄幸(はっこう)のヒロインだ。
仕方もなしにまたこちらから仕掛けるはめとなる。
「…ねぇ、あなた、仮にもわたしのボディガード、なのよね? だったらそんなトコにいつまで偉そうに突っ立ってないで、なすべきことがあるんじゃないの! くだらない口答えばっかり一人前で、それじゃこれまでの無口なお人形さんたちのほうがずっとマシだったわ…!!」
「…………」
いかつい肥満の巨漢はただ無言を貫いてくれた。
いかんせん無表情だから何を考えているかは定かでない。
さっきはあんなに冗舌(じょうぜつ)だったのに、もはや打って変わったキャラの変わりようだ。
まさか、寝てやすまいな…?
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