-クロフク- プレリュード 第二話

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「ああ、それは失礼した…! ただしそれがおまえのジジイ、いや、おじいさまのたってのお願いだ。しっかりとこの契約の内に入っている。おまえをきちんとした一人前の、ひとりの人間として扱うこと、ついでに追加条件としてこちらもれっきとしたパートナーとしてこれと対等に相対すること。これは俺が提案した。それこそ必須条件だろう。自分勝手で小生意気なお嬢さまなどはただ世話が焼けるだけだからな? これからの任務に多大な支障を来す(ししょう を きたす)…!」 「契約? 任務?? なっ、なんなのっ、あんた、さっきから何を言って…!?」  少なからぬ衝撃に唖然となっているところに、すっかりとその冗舌さを取り戻した黒服の巨漢はさらなるカウンターを浴びせてくる。 「それとこの俺のことは、クロ…! そうだ、クロと呼ぶがいい…。それがこの俺がこの世界で自我を得てからの正式な通り名だ…!! この俺たちの特殊な出自のことは、それなり把握しているのだろう? そう、確かに見ようによっては人形かも知れないが、世間的にはちゃんと人間のなりをしている。無論、この中身もな? そのあたりを誤解されたままではこの先におき良好な関係などを保っていけるはずもないので、まずははじめに言っておくぞ」
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