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『なぁにしてくれとんじゃこの悪魔ァァ!!!!』
あまりの最悪の展開に声にならない声で叫ぶ。
学園のアイドル、沢渡愛花(さわたり まなか)――。
成績優秀、眉目秀麗、品行方正。
この子以上に可愛く、性格もいい人間を俺は知らない。
学校中の男子の憧れの的である。
しかしあまりにも完璧過ぎる性格と容姿のせいで、気軽に話しかけられる男子はそうそういない。
女子ですら緊張した面持ちで話しかけることが多い。
…かく言う俺も、運がいいのか悪いのか偶然隣の席になったものの、話したことは二、三回しかない。
それどころか、その艷やかで綺麗な長い黒髪も、見るものを吸い込んでしまうような大きな瞳も、儚さすら覚えてしまう透き通るような白い肌も、まじまじと見ることが出来ていなかった。
そんな沢渡さんに「消しゴム取ってくれない?」なんてくだらないことで話しかけられるか?
無理だよ!!
恥ずかしさと申し訳なさと愛しさと切なさと心強さでしんでしまう!!
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