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「…え?」
どういうことだ?
だめ?
なぜ返してくれない?
いや、俺はその笑顔を見られたのだからそんな汚い消しゴムはいらないが…。
意図が分からない。
一体なぜ――
何も理解出来ていなく、口を開けたままの俺に彼女は小さく続けた。
「だってホラ、この消しゴムもう小さくて使いづらいでしょ?だから、私の消しゴムと交換してあげる!」
まだ新品同様の白い消しゴム。
角がまだほとんど使われていない綺麗な消しゴム。
それを俺の手に載せながら、俺にしか聞こえない程の、小さな、小さな声で言ったのだ。
「あ、それは今日開けたばかりの新品だから。安心して使ってねっ。私は柊くんのこの消しゴム貰っちゃうから!えへへっ」
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