プロローグ

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ただ、そこで高校生の俺は、魔が差してしまう。 選択肢は三つ。 1、拾って交番に届ける。 2、拾って自分の物にしてしまう。 3、拾わず無視する。 中身だけ抜き取って財布はその場に置いていく、なんてのもあるか。 じゃあこれが選択肢4番だな。 …なんと選択肢の半分が悪い行いだ。 3番は一見良くない行動のように見えるが、これは落とした本人が後で探しに来た際見つけやすいようにという配慮のためだ。 しかし、こんな選択肢が頭に浮かぶ俺はクソ野郎なのか。 …いや、そんなはずはない。誰だって浮かぶはずだ。うん。そうに決まってる。 「……」 そうやって自分を正当化してる時点で褒められたものじゃないのだが。 おっと。 今現在俺の性格の悪さは問題ではないな。 この財布をどうするかだ。 もう一度だけ言う。 交番に届ければいいということは分かっている!!しかし魔が差すのだ!! 財布を見つけて十数秒、固まったまま葛藤している俺に囁く2つの声が聞こえてきた。
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