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「な、奈緒さーん?そろそろ起きて朝ごはん食べないとですよぉ」
まどろみの中、優しく俺を起こす声がした。
この一ヶ月で聞きなれた声だ。
目を開けるとハレが俺の顔を覗き込んでいた。
「…ん。…あぁ、おはようハレ」
寝起きということもあって、いささかぶっきらぼうに挨拶しながら身体を起こす。
出会ってからこの一ヶ月間、ハレは毎朝こうして俺を起こしてくれる。
学校や予定がある日は寝坊しないよう、気を利かせての行動だ。
実際以前は遅刻もそれなりにしていたが、ハレが起こしてくれるようになってからは一度もしていない。
まぁ例のごとく悪魔的にはダメな行動だが、俺にとってはありがたいことだった。
「死後きちんと地獄に行けるようになるため、今日も一日頑張りましょうね!!」
ハレはベッドの横でペタンと床に座って、その大きな胸の前に両手でガッツポーズを作って言った。
「地獄に行くために頑張らなきゃいかんのか俺は…」
俺は欠伸混じりでそれに返す。
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