第2話 柊奈緒は疑われる

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ふわふわと部屋中を漂うイミナを冷めた目つきで追っていると、突然ドアが開いた。 「兄ちゃーん。綾奈が飯出来たから起きてこいって――、ってもう起きてんじゃん」 そこから顔を覗かせてきたのは、弟の奈月(なつき)だった。 以前はこうやって起こされても、ギリギリまで二度寝を続けていたものだが、ハレのおかげで今はバッチリ目覚めている。 「あぁ、着替えたらすぐ行くよ」 「あーい」 奈月はそう言ってドアを閉めて部屋を出ようとする。 「あ…、そ、それじゃあ着替えが終わるまで部屋の外で待ってますね!」 ハレがその後を追うようにして部屋を出て行った。 まったくもって気が利くいい悪魔だ。 いいお嫁さんになるな。 …そもそも悪魔って結婚するのかな。 いや、相手がいないなら俺がする。 「あー、でもそうなったら地獄行き確定だよな…」 それはそれで微妙である。 そんなことを考えていると脇腹辺りにゴンッと何かがぶつかった。
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