第一章・ーたのしみー

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「聞いている……がはっ!」  煩いよ、お前。  途端に周りからも悲鳴があがる。  何だよ。行かせてくれないから手近なところで材料を調達しただけだろ? つまりこいつが悪い。 「貴様っ。……ぐふっ! や、止め……ごふっ」  更に悲鳴が……。何だよ。耳障りだなぁ。欲しいモノを自分の力で手に入れて何が悪いのだ? くそ。気に入らない。  ……。あ、そういえば、また色移りしちゃってらぁ。  沢山沢山沢山材料が、沢山沢山材料があるなぁ沢山沢山沢山沢山材料がさぁ。  駄目だよ。一体どこに行く気だ? なぁ、俺の趣味のために貢献してくれ。  手のオブジェは一度に二つしか作れないのだ。足のオブジェも、二つだけ。だからなぁ、理解るだろ?  完成させたいのだよ。  協力してくれ。  ああ、目の前にはこんなに沢山の材料が……。  これで当分は事欠かないだろう。  鋏を振り回し、なるべく傷をつけないよう、ハロウィン仕様に見えるよう逃げ惑う材料達を仕留めていく。  嬉しいなぁ。  これでまた、俺の趣味の幅が広がりそうだーー。
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