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五月後半ーー
「ねぇ、明日遊びに行こ?」
いつもは俺らから遊びに誘っているのに珍しく彼女から誘われた
「珍しいですね春海さんから誘うなんて、どこか行きたい所でもあるんですか?」
「あーうーん、まぁそんなところ?」
なんだかいつもと違う雰囲気だった。
「いいですよ、じゃあみんなさそっ…」
「みんなじゃなくて君と行きたいの!」
いきなり彼女が声を荒げたから少し驚いた
それよりももっと驚いたのが俺と二人っきりで出掛けたいという事だった
「え?二人でいいんですか?デートですか?それなら大歓迎ですよ!」
ちょっとふざけてみた。
「うん、デートだよ、ちゃんと準備しといてね場所はその日のお楽しみね!待ち合わせ場所は…」
今、俺の顔はきっと鳩が豆鉄砲を食ったという言葉が当てはまる表情をしてると自分でもわかる
「ねぇ?聞いてる?待ち合わせ場所は六楽(ろつがく)駅前ね、それじゃまた明日~」
「あ、えっ、ちょ、ちょっと待ってよ」
有無を言わさず彼女は去ってしまった
彼女とは大学で出来た友達に紹介されて
みんなで遊ぶ仲になった
最初の印象は絵に描いた様な清楚で天然だなと思ってたけど本当にその通りだった
いつも笑ってて甘い匂いがしてそんな彼女の事が俺は好きだった。
『いつかこの気持ちを伝えよう』
そう思ってた矢先に相手からのデートのお誘いが来て
テンション上がらないはずがなく俺の周りの友達から気持ち悪いと言われるほど有頂天だった。
「早く明日にならないかなー♪」
「いい加減うざい、これ以上言ったら邪魔しにいくぞ」
俺の親友と呼べる程仲のいい友達の1人
飯沼 仁(いいぬま ひとし)彼の紹介で彼女に出会う事が出来た。
「いやいや、お前には感謝してるぞ~」
「まいどあり紹介料1万になります」
「今度飯奢るって」
そんな会話しながら帰り明日を待った
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