ラブレター

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変な人だなぁ……。 そう思いつつも、散らばったノートを一冊拾い上げた。 見るつもりはなかったけれど、否応なしに目に飛び込んできたノートの中身は、数学の公式や答えに至るまでの解説などが綺麗な文字でビッシリと書き込まれていた。 す、すごい……。 外見がガリ勉に見えるだけじゃなくて、この人本当にガリ勉な人なんだ……。 「これ……」 「ごごご、ごめん! ありがとうっ!!!」 ガリ勉くんはアワアワと慌てたように私からノートを受け取った。 ボサボサの髪の間から覗く瞳が、チラッと見えた。 落ちている他の教科書などにも手を伸ばすと、ガリ勉くんは素早い動作で全てを拾い、サッと鞄にしまった。 「さ、さよならっ……」 小さい声でそう言うと、またもやダッシュでその場を去った。
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