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……えっ?
目を瞬いて、武田くんと日誌を交互に見た。
これって……?
「柏木さん?」
ハッとして顔を上げる。
疑問が声となって口から出た。
「ラブレターくれたの、武田くんじゃなかったの?」
「……え……」
「だって、字が違う……」
ラブレターは習字のお手本のように綺麗だったのに、日誌に書かれた文字は少し右上がりで癖がある。
すると、武田くんは焦ったように頭を掻きむしった。
「あ、ああ! あーっ! えーっと、うーんと、それは……」
髪がボサボサになって、せっかく整えられた前髪が目にかかる。
「えーと。 いや、いつもはもっと丁寧に書くんだけど、つい雑に……」
「それに、私の名前が間違ってる」
「……!?」
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