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カリカリ
カリカリ
静かな教室には、鉛筆を走らせる音だけ。
私達は写生会で揉めた件で、居残り反省文なるものを書かされていた。
あれからあの三人とは口を利いていなかったけれど、全く気にならなかった。
私は一体何を恐れていたのだろう。
三人は完全にふて腐れていて、鉛筆の音は私のものだけだ。
四百字詰めの原稿用紙に、びっしりと反省と謝罪の言葉をつづっていく。
三人を小突きながら回ってきた担任は私の書く文章に目を留めると、何とも言えない顔をした。
『。』で締めくくったそれを担任の手にねじ込むと、私は勢い良く教室を出た。
秋ちゃんはあの日から学校を休んでいる。
助けに行く、なんておこがましい。
私は今から、秋ちゃんに謝罪をしに行かなければならないのだ。
原稿用紙に書いた言葉を反芻する。
手には大事に取ってあった、あの日の風景を握りしめて。
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