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ヴァチカン美術館の映画を見た。
ヴァチカンを訪れた日は、葬送の悲しみで広場が覆い尽くされていた。
たくさんのいろいろな場所から訪れたキリスト者たちによって。
山と積まれた花束と手紙。
亡くなったローマ法王ヨハネ・パウロ二世への哀悼の気持ちから。
パーパと呼んで親しまれた老法王への信愛の情から。
だから、ヴァチカンというと、わたしは生まれたての雛鳥がはじめて目にしたものを刷り込みのように瞼に焼き付けるように、あの日の光景がまざまざと蘇ってきて、あの日のサンピエトロ広場に意識ごと体も心も飛んで行ってしまうような錯覚に陥る。
劇的な場所と時間というのはあるけれど、
わたしの人生の中で
非常に高いレベルで劇的な場面に遭遇したのだとおもう。
人々のかなしみがひたひたと空気に漂って迫ってくる。
荘厳な雰囲気のなか。
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