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校庭の片隅に花壇を作り毎日お世話をして秋
見事な秋薔薇が咲き誇っている。
彼女から香る寿司の匂いが金木犀の香りと混じり二階の校舎にまで漂ってくるんだ
二階の教室からそれを眺めるのが僕は大好きだった。
今日もゆっちは花壇のお世話をしている
僕はその姿を眺めながら頬に秋を染めていく
みちゅ
「薔薇もゆっちも綺麗だな…」
不意にゆっちと目が合うと二人は無言だが秋がそんな気持ちにさせるのだろう
教室の開けてある窓から僕は
みちゅ
「ゆっち好きだ。」
大声ではなく普通の声。ゆっちに届かなくてもいいんだ
素直な僕の気持ちを僕自身が外に出したかった
心地好い二人の空間
天使のイタズラなのか?
僕の声が風に乗りゆっちに伝わる
ゆっちは美しい満面の笑みを幸せそうに僕にみせた後お辞儀をして
後ろを振り向くと
『プッ♪』
教室に香る恋の匂いと秋薔薇が綺麗な花壇
夢のように消えたゆっちの残像を瞳に映しながら僕は微笑んでいた
みちゅ
「ゆっちは違う学校なのに本当に花が好きなんだな。」
無許可で堂々と勝手にヨソの学校に花壇を作るゆっち
そんなお茶目な彼女に恋した秋の告白は
秋薔薇と金木犀そして彼女のオナラが答えをだしてくれたんだ
窓を閉めて僕は授業に集中した。
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