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「え…?いえ、私は住んでいないですが、母が住んでいまして」 母親のことを言ってしまってから、ハッとする。 全く見も知らぬ他人に、言うべきではなかったかと思い、警戒心を抱きながら、彼を睨んだ。 「あ、そうなんですね、なるほど。…あ、僕怪しいものじゃないですよ」 私が睨んでいるのに気づいた彼は、弁解するように言う。 「僕はそこのマンションに住んでいる、松本と言います」 「はぁ」 いきなり名乗られて、面食らった。 しかし、自分も名乗ろうと思えるほど、警戒心は薄れない。
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