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小さすぎて、見つからないのか
思いの外、小さくはないのか
小さいと、信じこんでいるだけなのか
信じるから、小さくなっているのか
もう、包まれているのか
それとも、握っているのか、それは
ベテルギウスの遠さか
それは、繊月のか細さか
ほんとうに、あるのか
ほんとうは、なにを探しているのか
ほんとうに、探しているのか、僕の
蘇生ノ春はもう、とうの昔に終わった
衝動ノ夏は終わっているのだろうか
今現在は
逡巡ノ秋が始まった候
なのだろうか
それともすでに、道中か
冬はまだ、すこし先の話か
いつかの
繁り、そそり立ち、ひかり、かがやく
あの、翡翠色のときへ
どうあっても
帰れなくなったがゆえの
焦燥と悲しみと、すこしばかりの安堵に
目がチカチカと眩み
みるみるうちに
碧い瞳は、赤々と血ばしる
ほとばしる
じつは、あるところに
宇宙よりも大きな鯨が、ごまんとおり
群れをなして、泳いでおり
そのうちの一頭の
胃袋の中にいるだけのことにすぎない
と、明かりを消しながら
夜、密かに
感づいてしまっていても
瞼をとじ
黙々と逡巡するのだ
秋、たらしめているものを探しては
散策するのだ
どんぐりを
落ち葉のうらに、見つけては
両手いっぱいに、拾い集めた
あの、トキメキを
町外れに
さめざめとした公園の片隅の
むかしから
たたずんでいる木の下で
久しぶりに、思い出した僕は
きっと
思い出すことしかできなくなったのだろう
なのに
この
つるんとした
光沢ある殻斗の手触りに
ぎっちりと
忘れているなにかが
詰まっていそうな
予感がする。
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