確信犯

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「学校で焚き火したうえに焼き芋って……」 「まあまあ。 だから口止め料って云っただろ? それとも共犯の方がいい?」 にやり、先生の口元から白い八重歯が覗く。 ……「共犯」。 その甘い響きに心が揺れた。 思わず見上げると、 視線が合った、レンズの奥の瞳が細くなる。 熱が上がってきた頬に気付かれないように 俯いた。 アルミを剥いてお芋を一口。 先生は焚き火の残り火を確認するふりしながら 黙って食べてる。 ……いつも、そう。 私の心をこうやって掻き乱しては 意地悪く観察している。 先生はそういう悪い大人(ひと)。
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